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長浜の未来を拓くために:材光工務店と滋賀不動産の新たな挑戦

 私たち材光工務店には、兄弟会社とも言える存在、「滋賀不動産」があります。滋賀不動産は、この地域を開発するディベロッパーとしての役割を担い、土地の企画、準備、テナント誘致、そして建設に至るまでをプロデュースします。そして、その建設を担うのが、私たち材光工務店です。

 

 

このような形で、私たちはグループ経営を進めてきました。持株会社である材光ホールディングスの傘下で、あたかも一つの企業体のように運営してきたのです。事務所も共有し、材光工務店の社員が滋賀不動産の業務を行うことも日常茶飯事。お客様からすれば、「材光工務店」という一つの姿しか見えないかもしれません。

 

 

建築資材や車両といったファシリティ、そして業務システムも共有し、社員の兼務によって一般管理費を抑える。約20年前までは、このやり方が効率的でした。しかし今、私たちは明確な限界を感じています。なぜなら、ディベロッパーとして長浜市の開発は、一定の成果を上げたと言えるからです。地元に身を置く者として複雑な思いもありますが、人口減少が進む現代において、新たな消費空間を開発する需要は決して多くありません。消費行動の中心はインターネットへと移行し、実店舗での消費は減少の一途を辿っています。

 

 

書店を例に挙げれば、多くの人がインターネット通販を利用します。かつて売上の半分を担っていた雑誌も、情報発信の場がSNSへと移り変わったことで、ほとんど売れなくなりました。消費空間は、物理的な場所からサイバー空間へと、確実にシフトしているのです。

 

 

では、私たち不動産、特にディベロッパーの仕事は、これからどうあるべきなのでしょうか?地域を開発するという軸はそのままに、その形を大きく変える必要があるのではないでしょうか。これまでの「消費する空間づくり」から、「生産する空間づくり」へ。観光においても、モノを買うことだけが目的ではありません。体験を通して何かを得たり、地元の人と交流したり、自分自身に新しい何かをインプットする。そこにこそ、喜びがあるはずです。

 

 

そうなると、これまでのように不動産会社との兼務という方針では、質の高い仕事は難しくなります。材光工務店には、建設のプロフェッショナルとしての職能、能力、スキルが求められます。一方、企画的な不動産開発を実現するためには、専門的な知識と経験を持つ人材が不可欠です。それぞれの会社が、それぞれの専門性を深め、特化したスキルを持つ人材を育成する仕組みが必要なのです。

 

 

長浜という街を、どうすれば再び活気づかせることができるのか。あるいは、そこに住む人々が心から楽しめる街にできるのか。そして、県外の人々が「ぜひ訪れたい」と思えるような魅力的な場所を創出できるのか。それこそが、これからの私たちの仕事になるのだと信じています。

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